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巻線機

[クリックすると巻線デモが見られます]

・巻線機の印象
 切り口を少し感覚的に、機械の印象から話を始めます。モータの製造設備でもっとも華やかで、一般の人が観ても楽しめる機械が巻線機です。 技術的にはそれほど難しさはなく、経験でも意外と製作できる機械です。例えば、スビンドルの危険速度など計算出来なくても回転数を押さえればどうにかなってしまいます。また、線材に印加するテンションは適当に設定しても線材は30%以上の伸びを発生させない限り断線はしません。しかし、線材の伸びは見た目では分かりませんがモータ特性には影響します。製品設計で「0.01mm線径を…」などと特性吟味する前に、量産する巻き線機を
知ることが大事です。 
 さて、巻き線機の組み立て精度につして考えると意外とラフかも知れません。手作業で巻線をする場合、コイルを目的の形状、スペース収まるようにコイルを押したり叩いたり、線材に与える張力とその引っ張り方向にもかなり複雑で大きな変化を与え工程を進めます。機械でこのような複雑な動きを模倣することは非常に困難です。一般的な巻き線機はスピンドルに取り付けられたフライヤーとその先端に適当な直径の溝つきローラを配置しワークのスロットオープンにあわせ線材の案内を設けた構成と成ります。また、線材を巻きつけるワークの断面は四角形であったりします。し たがって巻線中の線材の引き出し速度は激しく変動し、テンション装置も応答しませんから線材の軌跡も一定ではありません。ですから機械の組み立て精度は計測器や加工機のようにそれほ敏感に影響することは無いようです。実際には0.2〜0.3mmの世界だと思います。
 ところで、巻き線をさらに高速化し、巻線の占積率の向上、整列、などの要件を成り行きでなくコントロールしようとすと、その実現には相当の広い知識と理論が必要になり、難しい機械となってしまうようです。
 モータの電機子巻線で、ダブルフライヤ式巻線機というタイプがあります。専門メーカ製の巻線機で、巻き仕様が20ターン10スロット、ワークのローデイングからアンローディングを含むサイクルタイムは11秒程度が最高速でした。 今回、私の開発したダブルフライヤ巻線機(巻き線デモをご覧ください)は前者と同一の巻き線仕様でサイクルタイムは7.5秒と3割強の高速化を実現しました。勿論、7.5秒はローディングからアンローディングまでの時間です。
 高速化実現のための主な開発要素は@テンション装置、Aスピンドルのコアキシャル構造とダイナミックバランスの低減、B線材の弾-線形硬化塑性近似を制御条件に加えた等です。@のテンション装置は基本的にはPID制御ですがこれに予測制御をさらに加えています。Aフライヤー(巻線線材を巻き付ける回転軸)は出来る限り慣性モーメントを減らし、剛性が十分確保できる構造としました。その結果、断線、巻き乱れなく80msecで5,000rpmと俊敏な立ち上がりと高速回転が実現できました。余談ですが、動バランスは軸剛性が十分であればバランス修正位置を問いません。しかし剛性がない軸では当然ですが剛体として扱えなくなりますので修正には注意が必要です。 
 この巻線機についてお客様から以下の感想を頂きました。
  @巻線をする様子は線材を巻き付けるというよりコイルを挿入しているようだ。(巻線機メーカ殿)   
  Aビティオを見て頂いた方からは倍速再生ですかと質問されました。(電装メーカ殿)

	
		
 それではこの巻線機の開発要件と実際の機構についてご紹介します。
			
基本構成と要件の設定

 ダブルフライヤ巻線機の構成はおおよそ次のとおりです。
・巻線機能から  -  スビンドルユニット - インデックスユニット - 線材端末処理ユニット
・線材供給機能から  -  テンションユニット - 自動結線装置ユニット - 線材ストッカーユニット 
・取り扱いからの要件として  -  段取りはワンタッチ - 巻線条件は出来るだけ簡単に設定出来ること 
・設置、レイアウト性 コストからの要件として  -  機械幅 700mm以内 - コストは従来比80%  
 スピンドルの要件とその実現

・要件 
 - フライヤーの最高回転数 :5,000rpm  
 - フライヤー立ち上がり時間 :60msec (UpTo 5,000rpm)  
 - 動バランス   :0.5g.cm以下

 一般的に巻線機のスピンドルシャフトはその中心を線材の導入路とするため中空とします。スピンドル長は駆動サーボモータのレイアウトなどの制約で軸受けスパンを比較的長く設計する傾向があます。その結果、スピンドル軸の剛性の確保は難しくなります。さらにこの軸の片側には質量の大きい巻線対象のロータに線材を案内するワイヤガイドが取り付けられますから、スピンドルの共振周波数はそれほど高く設定できません。
 加震力は回転軸周りの質量の散在によるアンバランスに加え巻線形状からの断続振動を受けます。断続振動は、例えば断面が四角形の場合、スピンドル回転数の4倍の周波数成分を含みます。(振動についての検討は@PC等で数値計算から線速を求めます。これをフーリエ変換しスペクトルを求める。Aロードセルを線路に設置し巻線時の振動を実測する。この振動の時間データをフーリエ変換する。B解析的には線速を求める計算式をもとめ、これをテーラ展開し3次程度までを検討する) したがって、スピンドルはスピンドルの回転数の数倍の振動数を考慮しなければなりませんから、巻線の高速化には十分なスピンドルの剛性が必要となります。
 スピンドルの剛性を高める為には@軸の断面二次モーメントを大きくする、Aスピンドル長を短くすることになります。断面二次モーメントは当然ですが軸径を大きくすることになりますが、慣性モーメントや軸受け配置など現実的には制約がありそれほど大きくできません。スピンドル長も同様に現実的にはそれほど短く出来ません。また軸受けの数を増やすことも考えられまずか加工、組み立て、コスト等を考えると妥当な方法とは云えません。
 本機ではこれを解決するために、フライヤー部と線材案内を別途に設け、これをコアキシャル構造とすることで解決しました。フライヤーは高速アンギュラの外輪に直接フライヤーと駆動プーリィを配置し、軸共振を検討する必要が無いくらいの高剛性が実現できました。但し、ベアリングは外輪回転となるため潤滑、シールには特別な配慮が必要です。 線材案内用の軸はこれに取り付けられる部品の質量が極めて小さいため、非常に細い軸径で十分機能を満足しました。
 駆動サーボモータはスピンドルの慣性モーメントが従来のスピンドルの1/2程度となり、高回転、高応答にもかかわらず大型化する必要はありませんでした。
 ワイヤガイドの固定は@タイミングベルトによる方法、A重力による方法が一般的です。これらの方法はタイミングベルの張力でスピンドルに曲げ応力を発生さたり、ワイヤーガイドに振れまわり運動を発生させます。また、ワークの装着に不確定さが発生し高速巻線には適しません。そこで、本機では新たに磁気カップリングを開発設計し非接触のワイヤーガイドの固定を実現しました。ワイヤガイドの交換は磁気カップリングですでので磁力に抗して軸方向に引き抜くだけです。
・テンション装置  

 テンション装置は平均張力を制御するため、慣性モーメトを極限ま小さくしたカンチレバーを備えました。レバーの剛性を落とし高域の振動を吸収させることもある程度有効ですが、実際は線材の伸びで細かい振動を吸収してしまいますからむしろ、捻り剛性を上げることが高速時は必要になります。ここで、レバーの剛性は釣竿のようなしなやかさを意味しません。これは、高速、高応答の巻線機の動作に追従しないからです。共振周波数を計算すれば直ぐ分かります。 レバーの先端にはワイヤーをガイドするローラを設置し、基端側には回動自在の回転軸を備え、その回転角とそのトルクが比例関係であるよう機械構造を決定します。ワイヤーの引っ張り方向はレバーの揺動角を例えば90度とすれば、丁度揺動角45度の位置でレバー回動の接線方向とします。従って、カンチレバーの角度が張力となり、回転角度を制御すれば張力が制御できるわけです。 ここで、振動するレバーの平均トルクを求めるためには、本HPでも紹介しているデジタル処理の知識が必要です。 (機械の開発にはいつも数学が影のごとくついて回るようです)

---- 後日につづく ---

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